こんにちは。瑞田多理です。最近週末は狙いすましたかのように天気が悪い日が続いています。気が滅入ってしまうことしきりです。
5/13〜14(土・日)に催されたゲームマーケット2023春も、例に漏れず雨天の中開催されました。しかし中に入ってみれば雨の中でも、来場者は列を作って1時間まちの盛況。会場内も常に人が途切れず、とても活気のある展示会だったと思います。
この記事ではゲームマーケットに出展するにあたって、「売る」ためにやったことをナレッジとしてまとめます。会場でやったことと、出展するまでに行った準備の部分を紹介していきます。しばしお付き合いください。
出展したゲーム
今回はタロットカードをベースに対戦要素を加えた「1〜2人用 運命奪還型対戦タロットカードゲーム」である『リバイス・リバース』にて参加しました。(英語:Revise-Reverse)
今の所40個ほど皆さんの元に旅立ったようです。
BOOTH様にて通販を行なっておりますのでよければポチってください。
リバイス・リバース(Revise-Reverse)
https://0-birth-creation.booth.pm/items/4764304
会場でやったこと
色々書きますが、最終的なゴールは「こちらに面白いゲームがあることに気づいてもらう」ことに尽きます。
呼び込みをしっかりやる
風土の違い
いわゆる同人誌即売会とゲームマーケットにはいくつか風土の違いがありますが、その大元はおそらく「そもそも”同人ゲーム”即売会だけではない」というところに尽きると思います。
少し周りを見渡せばすぐに気づきます。あそこはスタートアップ奨励賞をもらった企業。あそこのコンポーネント量は同人資本ではとても無理……。要するに、即売会ではなく展示・商談会の方がニュアンスとして近いのです。自分の作ったゲームを、「頒布」ではなく「販売」する場所。それがゲームマーケットのブース出展です。
なので、同人誌即売会とはお作法が違うところがいくつか出てきます。一番わかりやすい差分は「呼び込み」の是非についてだと思います。
同人誌即売会での呼び込みは、一般に非常に嫌われると思います。一方ゲームマーケットでの呼び込みは、おそらく「やらないといないものとして扱われる」レベルで必須だと思います。
(※会場でのみ集客を行う場合。注記した理由は後述します)
なぜかというと、ゲームマーケットの回遊層は同人誌即売会で回遊している層とは全然性質が違うからです。
同人誌即売会で回遊している層は、最初にジャンルありきで回遊していることが多いです。ボードゲームで言うと「私はワーカープレイスメントゲームを買うぞっ」と最初から意気込んでいて、ワーカープレイスメントゲームなら全部見ていく、みたいな参加者がきっと多いと思います。
(原作ミリしらのジャンルを回遊することはないと思う、と言うことです。)
一方、ゲームマーケットの回遊層はもっと流動的で、それゆえに残酷です。つまり、
「面白そうなボドゲ」(=同人誌でいうと、ジャンルを越境してクオリティの高い漫画を買うような)を、
「探すと言うほどの積極性を持たずに」会場を回遊していると思います。
一見間口が広くて与しやすいように見えますが、それはジャンル買いが発生しないことを同時に意味します。つまり自己主張しなければいないのと同じ、と言うわけです。
コンポーネントに触れてもらう重要さ
そう言うことに気づいたのが前回2022年秋のゲムマだったものですから、今回はきちんと呼び込みをやることにしました。
その際に使ったのが、印刷所から届いた「カードの予備」でした。これをスペースの前を横切る人に、「1枚どうですか」と渡していったところ、大きな効果が上がりました。
自然な流れで『リバイス・リバース』のコンポーネントに触れてもらえる。おそらくこれが一番だったと思います。手触り重視でマットPPをかけたところに、デザインとイラストもこだわって発注を行なったことでかなりカードそのものに高級感が出ました。それに間近で触れてもらうことで、ゲームへの関心を引くことができました。
実際に、カードを手渡した人にはほとんど100パーセント、スペースに立ち寄ってゲームの詳細を聞いていただけました。これが重要な数字で、通常のフライヤーではおそらく得られなかった効果だと思います。閉会間際に思い出し駆け込みで来てくださった方も多く、印象に残すということの重要さを実感しました。
自分のゲームがどのくらいニッチなのか把握する
スペースによってくれた人は↑をやったことによってほぼ100%になりましたが、スペース人数と販売数の割合を見ると、おそらく半分くらいになると思います。
まぁ、妥当な数字だと思います。何せ「1〜2人用」で「タロットカード」で「厨二病満載」なゲームですから、ターゲットをずいぶん絞り込んだゲームだと思います。同人誌即売会で言えば、ジャンル外の人も通りかかるような状況で手当たり次第声をかけていた状態ですから、半分もよく売れたなと言うのが正直な感想でもありました。
上記の通り、「自分のゲームが誰を狙っているのか」をきちんと認識することは重要です。不当にゲームに対する評価を下げることを避けられますし、逆にきちんと狙ったところに届いた時に喜びが半端じゃないためです。
事前準備
今回はインターネット上での宣伝活動を大幅に強化しました。具体的には動画を始めて作りました。さらにTwitterでの宣伝を強化しました。さらに根本で言えば、コンポーネントそのものをめちゃくちゃ凝りました。
動画について
宣伝用動画を作っていただき、Youtubeにアップロードしていました。以下からどうぞご覧ください。
ただ、やはりいかにYoutubeといえども「作っておいておく」だけではなかなか見られないと言う現実が明らかになりました。動画での宣伝を行うには、動画を宣伝するためのコストも必要になります。情報量は多いだけに、次回以降実施するかどうかは冷静に検討したいと思いました。
Twitterでの拡散
今回はゲーム募集ツイートに乗っかりまくってたくさんの方にメンションを送らせていただきました。(ありがとうございました)
Twitterでの拡散でネックになるのは、自分のFF外にどのように情報を届けるかの部分になります。その点でFF外の募集ツイートが見える現Twitterのおすすめタブは有用でした。あまり毛嫌いせずに眺めていると有益な情報やフックがあるかもしれませんね。
良いコンポーネントは一番の宣伝材料
会場で、実はかなり多くのお褒めの言葉をいただいていました。ゲームシステムについては今回言及しませんが、そのほとんどが「コンポーネントの高級感」に関する賞賛でした。
もはやデジタルゲームを作る参入障壁すら下がっている昨今、あえてアナログゲームにするからには「モノとしての価値」をいかに感じてもらうかが重要になってきます。
そういった点で今回のコンポーネントは、大成功だったと言えると思います。重厚感のあるデザインの中に、美麗な自筆のイラストがバッチリとマッチしていて、タロットカードとしての出来栄えがとても良かったと思います。
気になった方は以下からポチってみてください。
https://0-birth-creation.booth.pm/items/4764304
次回に向けて
- コンポーネントデザインにコストを惜しまない。
- 呼び込みは効果的に行う。
これらを学びに、次回に臨みたいと思います。
それでは、ボードゲーマーとしての私は、次の2023秋ゲームマーケットにて。
いよいよ2年間温め続けた、「あの」プロジェクトが始動します。
それでは、また。